城西支部国際部 飯崎 充

 こんにちは! 今回はユーラシア東端で世界の食が出会ったことで、近代日本の料理がどう変わったか、たまごとご飯を題材にして考えてみようと思います。

1.天津飯 なぜ天津か?

 街の中華屋のメニューに天津飯があります。関西ではソウルフードとも言われるほどポピュラーなメニューですが、天津飯は日本人考案による「中華料理」です。天津飯のイメージは、かに玉がのって、とろみのある中華あんがかかったご飯、というものではないでしょうか。発祥については、いずれも戦後で、浅草「来々軒」が東京八重洲口に出店した時を起源とする説、大阪馬場町の「大正軒」を起源とする説の二説があるようです。

 しかし、かに玉のせご飯に、なぜ地名である“天津”の名がついたのか、その根拠はわかっていません。早川貴正『天津飯の謎』(2018)は様々な文献を渉猟した結果、そのカギはたまごにあったのではないか、と推理しています。

2.日本人はたまご好きか?

 さて、天津飯はひとまず置いて、たまごについて見てみましょう。鶏鳴新聞によれば、2021年日本の一人当たり年間鶏卵消費量は337個で、メキシコの409個に次ぐ世界2位です(注) 。私たち日本人がたまご大好きの部類に入るのは間違いなさそうです。

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