中小企業活力プロジェクトネクストの活動について

豊島区中小企業診断士会
近藤 隆

 私は、「中小企業活力向上プロジェクト」(2016~18年度)と2019度からスタートした「中小企業活力向上プロジェクトネクスト」のコーディネータを担当しています。中小企業活力向上プロジェクトネクストでは、東京都、都内中小企業支援機関6団体が協力して、都内中小企業の活力向上を目指して、支援を行っています。

 支援の流れは、経営者がチェックシートを用いて、自社の現状を自己評価します。そのチェックシートをもとに中小企業診断士が経営診断を実施し、課題解決に向けて経営支援を行います。さらに、診断企業から要望があれば、最大9回まで専門家を派遣する「アシストコース」や、「アシストコース」で事業計画書を作成した企業に対して最大5回まで専門家を派遣する「フォローアップコース」があります。

「中小企業活力向上プロジェクトネクストHP https://www.keieiryoku.jp/ 抜粋」

 2019年度の下半期から2020年度の上半期に経営診断を利用した企業330社のアンケート調査(出典:中小企業活力向上プロジェクトネクスト実行委員会 中小企業活力向上プロジェクトネクスト 2020年度「支援事例集」)の結果では、「サービス業(26.4%)」、「製造業(23.6%)」、「卸売業(21.5%)」の割合でしたが、私が担当している地区は、商業地区が多いため「サービス業」が90%以上で圧倒的多数です。中小企業支援施策の利用については、49.7%の企業が提案された施策を利用しています。具体的な上位利用施策は、「販路拡大助成事業」、「アシストコース」、「小規模事業者持続化補助金」、「持続化給付金」など4施策で全体の92%を占めています。支援の満足度については、「自社の抱える本質的な経営課題を指摘してくれた」は、74.9%、「具体的な提案をしてくれた」は、70.0%で高い評価でした。年間180回ほど支援企業と面談していて、個人的には、ほぼ実感とあっていると思います。

 「中小企業活力向上プロジェクトネクスト」事業は2021年度で終了となりますが、親身になって課題解決に向けた支援をしていただけるディレクターを選定できるように、残りの6か月間、努めていきたいと考えています。