商店街アドバイザー(杉並区商店街助成事業)を担当して

NPO法人 杉並中小企業診断士会
中川 浩一


 今年度から新高円寺通商店街振興組合(高円寺ルック商店街)の商店街アドバイザーを担当しています。商店街アドバイザーは杉並区の商店街助成事業の1つで、区内商店街組合等の振興・組織的活動の強化を図るための助言・指導のアドバイスを行うアドバイザーを派遣するものです。
 私がルック商店街を担当することになった背景は、母の実家がルック商店街の中で薬局を経営していることがあります。子供の頃からよく来ていた商店街なので、愛着のある商店街です。
 また、所属しているNPO法人杉並中小企業診断士会は、2016年度に杉並区と共に実施した杉並区協働提案事業「空き店舗マッチング事業」を契機に商店街支援に特化したチームを作り、空き店舗と新規開業者とのマッチングや商店街活性化のサポートを始めました。その後は、名称を「杉並区商店街支援プロジェクト」に変えて、杉並中小企業診断士会単独で商店街支援を続けています。私は2020年から「杉並区商店街支援プロジェクト」に参加しています。
 最近の商店街の状況は衰退が懸念されます。小規模企業白書(2020年版)に「商店街の現状の景況について、所在市区町村の人口密度区分別に見たものである。全ての区分において、「衰退している」と回答した商店街の割合が最も高く、また、人口密度が低い地域ほど「衰退している」と回答した商店街の割合が高いことが分かる。」とあります。ルック商店街も個店さんに話をお聴きすると「昔は買い物に商店街へ来たが、今は気晴らしに商店街に来ている。」「イベントでは人が集まるが、毎日の買い物に来る人が少ない。」など危機感を持たれている方もいらっしゃいました。

出典:小規模企業白書(2020年版)


 杉並区は区単独補助の施策として「地域特性にあった商店街支援事業」「チャレンジ商店街サポート事業」「商店街若手支援事業」を行っています。商店街アドバイザーとしてルック商店街の活性化に向けて、区独自の施策や他の支援施策も活用して支援していきたいと考えています。
 最近、西武園ゆうえんちがリニューアルして、遊園地の中に「商店街」を作ったとのことです。リニューアルのコンセプトは「心あたたまる幸福感」。技術革新が進み、デジタル社会の現代にあえて「おせっかいなほど人情味にあふれ、人懐っこい人々との心のふれあいを通じて、心あたたまる幸福感を感じられる場所」を目指しているそうです。このコンセプトは商店街の活性化にも通じるものがあるように感じています。

 

出典:西武園ゆうえんちHP
https://www.seibu-leisure.co.jp/amusementpark/arcade/index.html


以上