城西支部 持田尚彦


 海外市場での販路開拓を検討する際、その地域の市場潜在力を測る方法について、銀行やシンクタンクがまとめたマクロ視点のデータではなく、より実務者視点で市場の潜在力をとらえる手法について私なりの知見を書いていきたいと思います。私のグローバルビジネス経験の中で身に着けた“肌感覚の見える化”的な内容になりますが、シンプルかつ腹落ち感のある内容と思いますので、駄文お付き合いいただければと思います。
 まず自己紹介ですが、私は某大手玩具メーカーの海外駐在員として香港、上海、パリで延べ12年の駐在経験があり、販売担当として特にアジア地域における発展途上国の販路開拓について手掛けてきました。                                                               

 進出地域の調査をする際に、発展途上国市場の潜在力を測る基準としてマクロ分析に加えて、その地域の新卒給与に着目し月収1000ドルを超えるかどうかをベンチマークとしてみておりました。あえて大学卒業者を抽出した理由として、欧米や日本の文化・商品に比較的抵抗がなく、ネット等でそれらの情報に多く触れている層というのが理由です。私の経験上、その地域の新卒給与が700ドルを超えるあたりで比較的高価な輸入品を購入できる層が増え始め、我々日本メーカーの商品(彼らから見ると輸入品)に対しての需要が顕著となり、特に首都圏においては需要が爆発的に拡大してきます。さらに新卒給与 月収1000ドルを超えるレベルとなると全土を対象マーケットとしてとらえることが可能となるというのが、筆者が長年グローバルビジネスを手掛けてきた中での実感であり、今回の記事の要旨となります。

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