国際部 和田昭彦

              
  アメリカのトランプ大統領が相互関税という爆弾を投下しました。「報復するな、交渉せよ、さもなくば、さらに悪い結果を招くだろう」。さながら何かの戦争映画を見ているようです。第二次世界大戦後の冷戦体制、ベルリンの壁崩壊後の自由貿易体制、グローバリゼーションを経て、相互関税は、こうした政治・経済体制の激震的な大きな変化とも言うべきものでしょう。これは世界システムの大きな変化であり、貿易のゲームチェンジ=第二グローバリゼーションの始まりではないか。つまり、それは単なる保護貿易でも地域経済のブロック化でもなく、あらゆる国と国とが国益を軸に相互に多数の戦略的な互恵関係を築いていく世界に突入していくのではと思う次第です。
本コラムでは、今回の大きな世界的な節目を迎え、日本はどう対処してゆくべきかと考えたときに、グローバルサウスの価値がかつてないほど高まり、ブラジルが外交面、経済面、文化面で存在感を高めていくのではないか、日本はブラジルに対して「地球の裏側の遠い国だから」で済ますことはもはや許されず、ブラジルとの戦略的な関係、特に農業の分野でさらに提携を深めていくべきでは、との見解を述べたいと思います。

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