1. 外国人労働者の状況
表1は令和元年10月末から令和5年10月末までの在日外国人労働者数の推移表である。令和5年10月末の外国人労働者総数は205万人。新型コロナ禍直前の令和元年10月末と比べると23%、39万人増加している。内訳を見ると技術・人文知識・国際業務が11万人増加、特定技能が14万人増加、技能実習が3万人増加、永住者が6万人増加している。一方留学生は同じく令和元年10月比で4万人減少しているが、前年の令和4年10月末からは1万人強増加しており、新型コロナ禍期に落ち込んだ分の回復途上にあると言える。増加数が一番大きいのは特定技能であるが、この中には技能実習生からの移行も一定数あるとみられる。永住者も同様。
人手不足を背景にして外国人労働者数は一貫して増加しており、この傾向は今後も続く。このような中、技能実習の現場が人材育成による国際貢献を目的とする建前と乖離していること等を踏まえ、令和4年12月より出入国在留管理庁の「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」(以下、有識者会議)において議論がなされ、昨年12月に最終的な方向感が示された。技能実習制度に代わって新たに労働人材を受け入れる制度~育成就労制度~を制定し、特定技能制度に繋がる設計とする内容である。今回はこの育成就労制度について現在判明している点を纏めてみた。