花の需要変化に応える

杉並中小企業診断士会
新田 慶子

 新型コロナウイルス感染症拡大の影響で卒業式や入学式、結婚式などの中止や縮小により、本来であれば最も需要が高い時期に花が売れない状況となっている。また、日本農業新聞によると、政府の緊急事態宣言再発令を受け、業務や仏花で使う切り花の相場が大きく下落しているそうである。
 私が支援している花卉農家でも、花の販路開拓について支援して欲しいという依頼があった。そもそも、主要なイベント以外で、花はどういう時に買うものか、花を買わない理由はなにかなどを調べたところ、切り花の長さにポイントがあることが分かった。
 切り花の丈は、お花屋さんに行くと比較的長いものが多い。花束は、華やかさや厳かさを表現している。

写真:蔵の花屋 コトハ(https://kuranohanaya.com)


 このようなお花を自宅に飾る時に多くの人が困るのが、花瓶だそうである。普段からお花を飾る人にとっては、自分で花瓶に活けるのが日常となっているのかもしれないが、今必要なのは、今までお花を買う習慣のなかった人に、お花を買ってもらうことである。
 丈の長いお花は、花瓶に合わせて茎を切る必要があり、あまり手をかけられない人の場合は、花瓶の中の水が濁ってしまったりしてよろしくないと思われている。そこで、あるパン屋さんの試みを参考にさせていただいた。

ブーランジェベーグというパン屋さんのスペースの一部でカプセルブーケを販売している。パンを買うついでに、食卓にそのまま飾れるお花である。このお花は、花瓶が不要で、買ったそのままの状態でどこにでも飾ることができる。保水ビーズを使用しているので、水換えの面倒も軽減され、水が汚れてしまうこともない。

(参考)カプセルブーケ 株式会社アクアhttps://www.facebook.com/photo?fbid=1160194557708419&set=pcb.1160194671041741

「丈の短い花をカプセルに入れて販売する」という試みは、コロナ禍のステイホームでの生活需要に応えたものとなった。

 カプセルブーケの案を採用したい旨を、株式会社アクアの社長に伝えたところ、快く承諾して頂いた。支援先の花卉農家さんでは、今、試行錯誤で短い花の製品開発中である。もともとイチゴ農家であることから、イチゴのパックを利用して試作品を作っている。これから販路開拓も行う予定である。新型コロナウィルスという感染症の大流行が、従来の考えから脱却して、時代の変化に適応する重要性を教えてくれた。今後の変化に注目していきたい。


試作中のイチゴカップフラワー