(概要)

 杉並中小企業診断士会では、昨年度の杉並区チャレンジ商店街サポート事業補助金事業を、「居酒屋インバウンド」事業として昨年9月から本年3月にかけて実施しました。
 杉並区チャレンジ商店街サポート事業補助金事業とは、商店街の活動に対する補助金と異なり、商店街活性化のために活動する団体に対しての補助金事業です。
 本事業は、三年前の城西支部の4区コンペに杉並中小企業診断士会が参加した企画を基に、阿佐谷地域のA商店会とB商店会の協力の下、区へ申請し採択されたものです。
 事業の内容は、外国人観光客を居酒屋に呼び込もうとする企画で、両商店街はJR阿佐ヶ谷駅をはさんでそれぞれ約150店と約100店のほとんどが居酒屋、バー、飲食店を擁しており、この企画には最適な商店街です。
 主な事業内容について紹介いたします。

 

(外国人客の集客)
・クーポン付き「居酒屋PR」チラシの配布 英語で阿佐谷の居酒屋を紹介する500円のクーポン付のチラシを作成して、都内ホテル等外国人が集まりやすい施設に配布しました。JR阿佐ヶ谷駅周辺やJR中央線沿線の吉祥寺、西荻窪、荻窪、高円寺だけでなく、銀座、赤坂、渋谷、新宿、池袋地域を回り43箇所のホテル、施設に置き、2回に分けて約3,000枚配布しました。

・居酒屋体験者づくり SNS等での発信を期待して、在留外国人を募って居酒屋店に対するミステリーショッパーと「居酒屋体験会」を開催しました。参加者のほとんどが居酒屋での飲食は初めてで、予想以上に喜んでいる様子でした。 (来店対応)

・「受け入れマニュアル」の作成と勉強会の開催 ミステリーショッパー、居酒屋体験会の参加者から取ったアンケート結果を基に、「外国人客受け入れマニュアル」を作成し、外国人客をもてなす方法について一緒に考える勉強会を開催しました。

・「居酒屋の楽しみ方」の作成と参加店への配布 居酒屋に入店した外国人客に居酒屋の習慣を理解してもらうために、英語、繁体字、簡体字、韓国語併記パンフレットを作成して、参加店に配布しました。 (成果と考察)

・結果としてクーポンの利用は2件にとどまりました。

・期待した成果を得られなかった要因としては、まだ「居酒屋」が外国人観光客に浸透していないと考えられます。

・「居酒屋」を外国人観光客に認識してもらうために、居酒屋を知っている在留外国人にSNS等により母国に発信してもらうのが有効と考えますが、そのためにはもっと長期間に亘り規模を大きくして実施する必要があったと考えます。                                              以上