2026年10月7日(水)19時から、城西支部社会貢献事業部が主催する「中小企業診断士が行う社会貢献活動に関する説明会と報告会」をZOOMで開催しました。参加者は27名でした。

 会のはじめに、鳩貝支部長からご挨拶をいただきました。社会貢献は慈善事業に限ったものではなく、「誰かの役に立つことを試してみる」ための事業として気軽に関わってほしいとのお話がありました。協会が社会貢献に取り組み始めたきっかけは診断士の認知度向上でしたが、今では「社会や地域の役に立ちたい」という会員の思いに応える場にもなっています。これまでの仕事の経験や地域とのつながり、趣味や得意分野を生かして、社会と関わるきっかけにしてほしいと呼びかけられました。

【図表1】鳩貝支部長よりご挨拶

1.城西支部社会貢献事業部の活動について(大村部長)

 社会貢献事業部の大村部長からは、まず東京協会の社会貢献事業推進部の3つの柱が紹介されました。「社会貢献事業」、10士業団体が連携する「暮らしと事業のよろず相談会」、「災害復興・災害対策支援事業」の3つです。9月26日に新宿西口イベントコーナーで開いたよろず相談会には、速報値で146件の相談が寄せられました(うち事前予約50件、診断士が担当する創業や企業経営の相談14件)。複数の士業が1人の相談者に同時に対応することで、相談の質を高めつつ、士業どうしの交流も深めています。

 続いて、城西支部社会貢献事業部の説明がありました。同部は、地域支援部から派生・独立する形で2025年度に設立されました。会員や研究会から地域社会への貢献活動を公募し、採択した案件に支援金(2026年度は2団体・各最大3万円)を支給するとともに、活動をホームページや機関誌で発信しています。また、子ども食堂や保護猫活動を例に、運営ボランティアとして関わるだけでなく、予約受付のデジタル化、広報・SNS、資金管理の見える化など、診断士の経営・IT・マーケティングの専門性を生かした関わり方があることも紹介されました。

【図表2】大村部長より「城西支部社会貢献事業部の活動について」

2.空き家の利活用促進支援プロジェクト 中間報告(堀田リーダー)

 後半は、今年度の採択案件「空き家の利活用促進支援プロジェクト」のリーダーである堀田氏が中間報告を行いました。本プロジェクトは城西支部の診断士4名で、6月から来年1月まで「空き家の地域資源化に向けた利活用促進スキーム」を検討しています。

 空き家も、それを使いたい人も存在するのに両者が結び付かないこと、所有者には信頼面・心理面・実務面での負担があることが課題として示されました。杉並区の空き家等利活用相談窓口を担う細田工務店と、杉並区へのヒアリングからは、改修にも解体にも費用がかかるため所有者が判断をためらいがちであること、収益を期待する所有者と低い賃料を望む利用希望者との間にギャップがあること、そして所有者への働きかけそのものが難しいことといった実態が見えてきました。

 そこでプロジェクトでは、権利関係・法務・建築などは他士業や専門家に委ね、診断士は財務・事業性と地域ニーズの分析に注力する方針を立てました。当面の対象は、状態が比較的良く、すでに貸し出せるものの活用を迷っている所有者です。今後は「意向整理シート」「5年・10年の収支シート」「初動チェックリスト」を作り、行政や相談窓口の意見を踏まえて改善していく予定です。

【図表3】堀田リーダーより「空き家の利活用促進支援プロジェクト 中間報告」

3.質疑応答

 質疑応答では、空き家の定義や所有権の扱い、事業での活用を考える人がどのような経路で物件を探しているか、といった質問が出ました。また、中野区の空き家対策に関わる参加者からは、高齢者のグループリビングや多世代型コミュニティ住宅といった活用例が共有され、活発な意見交換となりました。

 最後に大村部長から、空き家問題は社会課題となっており、活用アイデアの検討や事業性の評価、創業希望者とのマッチングなどで診断士が貢献できる余地は大きい、との総括がありました。本プロジェクトは下半期も活動を続け、2027年度はじめに成果報告会を開く予定です。社会貢献事業部では、今後も診断士ならではの立場を生かした社会貢献活動を進めてまいります。皆様のご参加をお待ちしております。