諸外国の新型コロナウィルス感染状況と対応について
2020年4月30日
城西支部国際部
野 村 純 一
現在の最大関心事項である新型コロナウィルス感染についての参考情報です。
1. 諸外国における感染状況
<主として公共的なサイトでの公開情報>
〇日本国内の感染状況は厚生労働省や地方自治体のサイトで公表されています。
・厚生労働省
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html#kokunaihassei
【感染者:13,576】【死亡者:376】【死亡率:2.7%】【検査実施数:160,546】
〇諸外国の感染状況は外務省の海外安全ホームページや各国の公共機関等の
サイトで公表されています。
・外務省海外安全ホームページ
https://www.anzen.mofa.go.jp/covid19/country_count.html
《上位30ヶ国の感染者数推移》《国別安全情報》の公表
・US CDC
https://www.cdc.gov/coronavirus/2019-ncov/cases-updates/cases-in-us.html
【感染者:981,246】【死亡者:55,258】【死亡率:5.6%】【検査実施数:5,795,728】
・UK Department of Health and Social Care
https://www.gov.uk/guidance/coronavirus-covid-19-information-for-the-public
【感染者:161,145】【死亡者:21,678】【死亡率:13.4%】【検査実施数:895,032】
・ロベルトコッホ研究所
https://experience.arcgis.com/experience/478220a4c454480e823b17327b2bf1d4
【感染者:157,641】【死亡者:6,115】【死亡率:3.8%】
・ニュージーランド保健省
https://www.health.govt.nz/our-work/diseases-and-conditions/covid-19-novel-coronavirus/covid-19-current-situation/covid-19-current-cases
【感染者:1,474】【死亡者:19】【死亡率:1.2%】【検査実施数:83,859】
・台湾衛生福利部疾病管制署
https://www.cdc.gov.tw/
【感染者:429】【死亡者:6】【死亡率:1.3%】【検査実施数:62,368】
・シンガポール保健省
https://www.moh.gov.sg/covid-19
【感染者:14,951】【死亡者:14】【死亡率:0.1%】【検査実施数:121,774】
2.諸外国における〔感染状況〕と《対応の特色》
〇《感染爆発が起きてしまった諸国》
・アメリカ合衆国
〔感染者数100万を超え世界1位〕〔死亡者数5万8千を超え世界1位〕
《検査数が600万近くと多い》《厳しい行動制限を実施》《国の補償が迅速・手厚い》
《国家安全保障の問題と位置付け》《出口戦略を巡る議論実施中》
・英国
〔死亡率が高くフランス・イタリアに次ぐ世界3位〕
《当初の「自然感染を待つ」方針を転換》《迅速な対応》
・中国
〔最初の感染爆発〕〔感染者数・死亡者数ともに急減〕
《封鎖等の非常措置》《約3ヶ月で「終息」を宣言》
・韓国
〔初期にはクラスター発生による感染爆発〕〔最近では終息の傾向と判断〕
《情報技術を駆使した感染ルート追跡》《個人情報の懸念 vs 感染防止効果》
・ドイツ
〔感染者数15万以上であるが死亡率が低い〕
《医療体制が手厚く病院の準備良好》《強力なリーダーシップで決断・実行》
〇《感染爆発を抑え込んでいる諸国》
・台湾
〔感染者数・死亡者数・死亡率ともに僅少に推移〕
《感染拡大の最初期から迅速な対応》《入出国制限・水際での検査徹底》
・シンガポール
〔感染者数・死亡者数・死亡率ともに僅少に推移〕
《情報技術を活用した社会的距離の確保》
3.諸外国と比べた日本の特色
〇諸外国での共通の特色
・感染爆発の起きた国は「大量の検査」「厳しい行動制限」を実施している
⇒無症状感染者数がある程度想定でき、行動の基準が判断できる
・感染爆発の起きた国は「大規模かつ迅速な救済措置」を実施している
⇒国民が行動制限をある程度受容でき、中期的な対応を継続しやすい
・感染爆発を抑えた国は「情報技術の駆使」「行動の管理」を実施している
⇒情報技術での「見える化」は国民に安心を与え、管理もしやすい
・多くの国で「ピークアウトの兆候」が見られるが「感染の再拡大」も生じている
⇒「ピークアウト」判断は早計にできず、制限緩和は慎重に行う必要がある
〇対比した日本の特色
・検査数が少ない
⇒無症状を含む真の感染者数が把握できていないため、重要な判断が難しい
・「国による対策・施策」が後手に回っているため、国民の不安が増している
⇒国民経済の悪化が進むと感染症対策への協力が得られない悪循環となる
・強制力を伴う制限は法的にできず、自粛・要請での対策に留まっている
⇒国民性による理解と協力が得られる期待がある
・トップダウンのリーダーシップよりもボトムアップの合意形成が優先される
⇒地方自治体の取り組みや民間の活動が効果を上げる可能性がある
4.中小企業診断士として
このような状況においては、次の取り組みが重要と考えられる
〇顧客である中小企業の経営に役立つコンサルティング活動
〇国や地方自治体の施策に関する協力・支援の活動
以上