外国人旅行者が日本国内の旅行中に困ったこと

国際部 大檐 賢嗣


 観光庁が発表している「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」について紹介します。
 JNTO(独立行政法人 国際観光振興機構)が7月18日に報道発表した訪日外客数(2018 年6月推計値)によりますと、2018年6月の訪日外客数は、前年同月比15.3%増の270万5千人で35万人増加し、6月として過去最高の記録となりました。また、1月から6月までの上半期の累計では、 前年同期比15.6%増の1,589万9千人でした。市場別では、インドネシア、米国で単月として過去最高を記録し、韓国、中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、イ ンド、豪州、カナダ、英国、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スペインで6月として過去最高を記録しています。2019年にラグビーワールドカップ、2020年に東京オリンピック・パラリンピックと国際的なイベントの開催が予定されており、今後も訪日外客数の増加が予想されています。
 外国人旅行者の訪問先も多様化しており、人気のある東京、箱根、富士山、京都、大阪の主要な観光地を訪れる“ゴールデンルート”だけではなく、名古屋や松本から飛騨高山を経て北陸の観光地を訪れ日本の原風景にふれる“サムライルート”もヨーロッパからの旅行者を中心に人気を集めているようです。
 このように多くの外国人旅行者が日本を訪れていますが、今後も増加すると予想される外国人旅行者の受入環境を整備するため「日本を旅行していて困ったこと」について観光庁がアンケートを実施しました。アンケート結果では、「コミュニケーションがとれない」と「多言語表示」の“言葉の壁”と、増えてきたものの「無料の公衆無線LANの環境」が課題ということが分かります。一方で、困ったことはないという回答も30.1%あり、環境の整備も進みつつあることがうかがえます。官民一体となって、より一層の受入環境の整備を行い、外国人旅行者に快適に日本各地を楽しんでもらえればと思います。



出典:国土交通省 観光庁
    「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」結果
    *アンケート期間は2016年8月~10月

以上

(2018年8月)

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