インドネシアとエビと日本

国際部 大松 洋一 

 先月の918日(水)に城西国際部主催の国際セミナーが開催されました。
 今、大注目のインドネシアを題材に取り上げての講演で、インドネシアの魅力について講演をして頂き、今後の発展が大変楽しみな国だと感じました。
 インドネシアと日本との関係と聞けば、エネルギー(石油・石炭)や豊富な天然資源を輸入している事を知っている方は多いと思いますが、エビの多くも、インドネシアから輸入されています。
 最近の、テレビのニュースでは様々な食料の値上げが取り上げられており、エビについても4割程度も値上がりしているようです。(ついに消費税も8%にあがりますね)
 そもそも日本は、アメリカと二大消費国(最近は中国の消費量もすごい)であり、多くを東南アジアから輸入しています。(主にブラックタイガー)インドネシアといえば、2,000年の調査によると中国、タイに次いで世界第3位の生産量を誇っています。
 2010年(平成22年)の日本の水産物の輸入額は13,709億円です。
その中の上位4品目を見てみると

エビ

マグロ・カジキ類

サケ・マス類

エビ調整品

13

13%

11%

4%

(その他、カニ・魚粉・イカ・ウナギ調整品:各3%

と、日本人のエビ好きがよくわかります。
その中で、エビの輸入金額は1,813億円にもなります。
主な輸入国は、

ベトナム

インドネシア

タイ

インド

中国

19.8%

16.9%

14.5%

13%

5%

と、日本にとってインドネシアはタイに次いで第2位の輸入国になります。
「水産庁HP:(水産物の需要動向)より」

エビにはクルマエビのように泳ぐ遊泳性と、イセエビのように歩く歩行性とに大きく分けられます。輸入の多くを占めるブラックタイガーはクルマエビ科です。海外のクルマエビ科のエビは、ブラウン、ホワイト、ピンク、バナナなど体の色で名前の付くことが多いようです。銘柄品はその上に原産地名が加えられ、メキシコブラウン、ギアナピンク、インドホワイトと呼ばれます。ブラックタイガーは別名「ウシエビ」とも言われ、相模湾等でごく少量ではありますが獲れる事があります。
 インドネシアでは、エビは国際商品として人気が高く、おいしく高いエビはほとんど輸出されてしまいますが、インドネシアの多くの人々はエビをよく食べるし、食べたがっています。パダン料理にもエビは登場するし、山間部では川エビをよく食べます。
 ことわざにもエビは登場しますが、あまり好意的には扱われていません。「石の裏にエビがいる」といえば「何か隠された意図がある」という意味ですし、「エビが魚の悪口をいいたがる」というのは「自分の欠点をわかっていない」という意味だそうです。
 しかし、エビの養殖が盛んになるにつれ環境問題と切っても切れない関係にあるのも確かな事実です。エビの養殖にはマングローブの生い茂った海辺が養殖池の最適地になります。総面積は約35万ヘクタール(3,500平方キロ)で埼玉県に近い面積に相当します。その恩恵にあずかっているのは、まぎれもなく日本人であることは忘れてはならない事と考えます。
 最後に、インドネシアでは今、日本のアイドル・アニメ・ドラマ等様々な文化が大変人気な中、秋元康さんのプロデュースによって2011年に「JKT48」がデビューしましたが、発音は「ジェーケーティー」でなく「ジェーカーテー」と発音するそうですね。
 今後、両国の関係のさらなる強化と発展が大変楽しみです。

「参考文献・参考HP
 ・佐藤百合著:経済大国インドネシア(中公新書)2011
 ・茂木正朗:インドネシアが選ばれるには理由がある(日刊工業新聞社)2012
 ・村井吉敬・佐伯奈津子編著:インドネシアを知るための50章(明石書店)2004
 ・日本水産株式会社HP

 http://www.nissui.co.jp/frontier/14/index.html

・水産庁HP

 http://www.jfa.maff.go.jp/j/kikaku/wpaper/h22_h/trend/1/t1_2_1_2.html

以上


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