城西支部研修部は、会員のコンサルティング技術の向上と研鑽を目的とした、「第36回コンサルティング道場」を以下の通り実施いたしましたので、報告いたします。

本道場は、2023年10月22日(日)にZoomで実施、総数50名の参加でした。

近年の円高やウクライナ戦争等に起因するエネルギー価格をはじめとする物価高騰や人件費アップの影響は、中小企業にも広がっています。その一方で、こうした影響を商品・サービス価格に転嫁できている企業はまだ限られています。こうした事業者を支援する上でも必要な顧客や取引先との価格交渉をはじめとする交渉の支援について学びました。講師は、支援現場で実際活動している、城西支部研修部の斉藤 拓副部長と、三枝 元部員が勤めました。

城西支部長の開会あいさつと、司会進行の研修部越沼 康明副部長から、研修の趣旨説明があり、その後、講義1では、斉藤講師による、「コストアップに負けない価格交渉の進め方」、講義2では、三枝講師による、「相手の心理を考えた交渉スキル」について行い、質問も活発に行われました。

 

講義1では、講師が購買担当者であった経験からの、購買担当者からの心理を意識した交渉方法について、お話がありました。私自身は、あまり購買担当者としての経験がなかったため、もっと買い手有利であるのかとも思っていましたが、逆の心理もあるものなのだという様な気付きを持つものでした。購買担当者の様々な心理を考えることで交渉の幅が広がるのではと思いました。

講義2では、交渉術について3つの基本パターンと4つのステップ、立場が弱い場合の交渉術といった内容の解説をいただきました。

ZOPA(最高目標と最低目標の範囲)のすり合わせとか、BENTA(交渉が決裂した時の対処策として最も良い案)など、今まで交渉の場では、無意識には行っていたものの、意識的には行ってきていなかったこともあり、体系的に意識をすることができたことはとても参考になりました。今後、こういった交渉を意識的に行うことで、さらにスムーズな交渉が行えるものと思いました。

 私も、実際に中小企業の支援を行っている際、値上げしたいがなかなか実施できないとの声を数多く耳にしており、すぐにアドバイスできる内容で非常に参考になるものでした。今回の道場での研鑽を基に、物価高騰に負けない中小企業の支援を行っていきたいと思います。

 

城西支部 研修部 小林 仁