介護施設のBCP作成支援について

城西支部 新田 慶子

 

 令和3年度制度改正により、指定介護保険事業者に業務継続計画(以下BCP)策定が義務付けされました。緩和措置が終わる令和6年3月までに、すべての介護保険事業所でBCP策定が必要となります。期限までに作成できていない場合、今のところ罰則などの発表はされていませんが、義務であることから指定の取り消しになる可能性はあります。

 介護施設は、その事業内容により、入所サービス、通所サービス、訪問サービスなどに分かれており、さらに施設の規模も様々です。従って、BCP作成の内容やボリュームも違ってきます。例えば、入所サービスを提供している場合、常に利用者さんがいるため、BCPの内容もボリュームも大きくなります。また、災害による影響も大きいため、入所サービスを行っている施設では、すでにBCPは作成している施設が多いと思われます。通所サービスの場合は、利用者さんが通ってくる場所のため、災害時や感染症が発生した場合は、原則復旧までは営業停止、訪問サービスは、職員が利用者宅にいる場合、移動中などで対応を考える必要があります。

 さて、現状はどうなのかというと、6割ほどの施設では全くBCP作成に手を付けていない状態、2割ほどの施設は自己流で作成しているが内容が不足している、といった状況です。やはり、本業に忙しく、手を付けるのが難しいということ、作成方法がわからないという理由が主のようです。
 従って、支援のポイントは、「BCP作成に着手してもらうこと」です。セミナーにおいても、基礎編と実践編の2回に分けて行い、今、この時間に聴いているだけではなく、一緒に作成してみてくださいということをお願いしています。

 作成に当たっては、厚生労働省が、詳細な資料を提供しているので、これを参考に作成していただきます。内容もガイドラインから作成の例示まであるので、自施設の状況に合わせて作成していけば大丈夫です。また、一度作成して終わりではなく、定期的に研修、訓練を行うことも必要で、それによって改訂を行うような内容になっています。
 資料は、以下のURLからダウンロードできます。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/hukushi_kaigo/kaigo_koureisha/douga_00002.html


以下ページから必要なものをダウンロードして作成します。

作成は、感染症編としぜんさい災害編の2つになります。ひな型は、WORD形式で、こちらを作成していきます。例示入りはEXCEL形式で作成方法や例示などが記載されているので、これを参考に作成していきます。
 自然災害は、(共通)と(サービス固有)を作成します。感染所は、提供サービスの形態によって3種類に分かれているので対応するものを作成します。

 令和6年3月までは、長いようで短いです。来年から作成しようなどと考えていると、4月の介護報酬改定などの時期とも重なってくるため、今、作成に取り掛かっていただきたいと思います。

以上