閲覧者の満足度を高める、使いやすいサイトデザインのススメ

城西支部 地村 健

 

 

突然ですが皆さんはこのドア、押しますか?引きますか?
わたしは時々押し引きを間違えてガン!となってしまい、若干恥ずかしい思いをしながら開け直しています…。
Webサイトでも同様の問題が起こっていることがあります。
サイトの訪問者数は多いのにいまいち成果につながらない、そんな時は一度サイト内部を見直してみると結果につながる可能性があります。

 

考えられる原因

ドアの開け方を間違える原因は、そのドアから正しい使用イメージを即座に読み取れないことが考えられます。「押」や「PUSH」の文字など、何らかの方法で開け方が示されていればわかりますが、読み取れないと間違いが起こりやすくなります。
同様にサイトでも、パッと見て使い方が分からないと、間違いからストレスへとつながり離脱の原因となります。
例えば見慣れないデザインパターンで知りたい情報がどこにあるかわからない、ボタンかと思いクリックしたが何も起こらない、など皆さんもご経験があるのではないでしょうか。この問題は提供側の場合、日頃からサイトに接しているために慣れから気づき辛いことがあります。

 

問題発生有無の見極め方

サイトの場合閲覧者の操作を直接見ることはできませんので、行動を確認するためには調査やテストが必要です。様々な手段がありますが、簡易的な方法としてはGoogleアナリティクスの「経路データ探索」やヒートマップの「クリック率」等が挙げられます。これらはどのようにページ移動やクリックなどが行われているか、サイト内の行動を可視化することが可能です。
またGoogleのサーチコンソールで確認できる「検索キーワード」で閲覧者のサイト利用意図を想定し、サイト内行動と照らし合わせることで、閲覧者が目的を達成できているか想定することが可能です。
ターゲットに近い属性の人に目の前で閲覧してもらい、その操作を観察し意見をもらうことも有効です。

 

サイトを使いやすくするための工夫

サイトで使いやすさを実現するためにはいくつかポイントがあります。

  1. サイトデザインは他のサイトでよく見るパターンに合わせる
  2. ボタンはクリックできることが伝わるデザインにする
  3. 文字は読みやすくし、画像を多用する
  4. 表示を早くする

 

1.サイトデザインは他のサイトでよく見るパターンに合わせる

多くの閲覧者は慣れ親しんだデザインを求めます。過去に経験したことのあるデザインパターンのサイトであれば、慣れから挙動を把握しやすいことが理由です。これはヤコブの法則と呼ばれており、すぐに目的を達成するための行動を開始できます。使い方に理解を要求するデザインは閲覧者にストレスを与え、離脱につながります。使い方を理解するだけの価値があるかわからない段階で、閲覧者にそれを求めることは難しいと言えるでしょう。

 

2.ボタンはクリックできることが伝わるデザインにする

 

閲覧者はより素早く簡単に目的を達成するための手段を把握できます。他の要素とは差別化しつつ、サイト全体でボタンのデザインに一貫性を持たせ閲覧者の理解を支援します。日常生活でよく見るボタンデザインに似せる、立体的にするなどの見せ方も有効です。
またボタンの文字は簡潔でよくある文言にすることをおすすめします。クリックした時に何が起こるのかをイメージしやすくなり、意味を考える労力を減らせます。同じ機能のボタンの文言は一貫した表現にすることも重要です。

 

3.文字は読みやすくし、画像を多用する

多様な条件で分かりやすくサイトの情報を提供できればより成果を得られます。
サイトは様々な環境の中で様々な人に閲覧されています。PCとスマホでは画面サイズが違いますし、明るいオフィスや揺れる車内など条件は多岐にわたります。また近視などの身体的な条件も加わります。
文字は見やすいフォント、サイズ、色をPCとスマホでテストし調整することをおすすめします。見出しやリンクテキストは、通常のテキストと差別化することでより意図や機能が伝わりやすくなります。
また文字よりも画像(写真やイラストなど)を使う方が伝わりやすいと言えます。百聞は一見にしかずのことわざ通り、イメージで伝えることができれば文章だけ読むよりも理解が進み、記憶にも残りやすくなります。そのためには何を伝えたい画像であるのか明確に示すものを選ぶこと、サイト全体のトーンに合うものを選ぶことがポイントです。

 

4.表示を早くする

サイトの表示速度を早くすることは重要です。表示の遅いサイトはそれだけで閲覧者が離脱する可能性が大きくなります。期待通りの情報があるかどうかが不確かな状況で閲覧者に待ってもらうことは難しいでしょう。
Googleの行った調査によると” 3 秒以上かかるページからは 53% のモバイルサイト訪問者が離れています。”(出典:Google Developers Japan)との調査結果もあります。
サイトの表示スピードはGoogleを始め、様々なサービスが無料で提供されていますので、確認してみてはいかがでしょうか。
余談ですが、サイトの表示スピードはGoogleの検索順位にも影響があります。表示の早いサイトほど評価は高くなります。

使いやすいサイトにすることは顧客の満足度向上と共に、提供側の目的実現にも寄与します。成果につながらないサイトでお悩みの方は使いやすさを追求して、より顧客満足度の高いサイトにしてみてはいかがでしょうか。