SNSマーケティングのヒント 〜顧客起点で考えよう〜

城西支部 五百田誉子

「インスタやツイッターをやってはいるけれど、成果が感じられないんです。」
「フォロワーも増えないし、手間ばかりかかって無意味な気がしてしまいます。」
といったご相談がよくあります。みんながやっているからなんとなくやっているという方もいれば、きちんと方針を決めて運用しているにもかかわらず成果に繋がっていないという方もいます。
状況はそれぞれ違いますのでオールマイティな対応策はないのですが、私はこのようにおすすめすることがあります。
「顧客分析をやり直してみませんか。」

顧客分析と聞いて、時間がかかるし大変そうだなと思ったかもしれません。もちろん、きちんとやればそうですが、顧客分析の多くの手法の中で、SNS運用に効果的でかつ気軽に取り組める方法がありますので、その方法をご紹介したいと思います。

大まかな手順は、

ターゲットの確認 → ペルソナ分析 → SNSでの活用

の3ステップです。

 ペルソナ分析とは、顧客目線での商品・サービス開発を目的として想定顧客像を具体的に設定することをいい、マーケティングの手法のひとつなのですが、ここではそれを使っていきます。

ステップ1:ターゲットの確認
 みなさまの事業のターゲットはどのような人ですか?30代から40代の主婦層などといったターゲット層が多くの方にはすでにあるはずです。まだない場合はこの機会に考えてみましょう。

 次に、そのターゲットについての情報を集めます。そして、顧客情報やアンケートの情報などを元に典型的な顧客像を想定します。この典型的な顧客像=ペルソナが、次に行うペルソナ分析のベースとなります。

ステップ2:ペルソナ分析
 ペルソナを具体化していきます。具体的なあるひとりの人物として以下の点を挙げて人物像を描いてください。

・基本的な情報・・・氏名、年齢、性別、居住地、家族構成など
・仕事関連の情報・・・職業、年収、役職、仕事内容など
・興味やライフスタイル・・・趣味、休日の過ごし方、よく見るメディアなど
・課題・・・困っていることややりたいこと、それはどうすれば解決できるかなど

ペルソナ分析の例

 この時に大切なのは、写真も使って人物像をできるかぎり具体化することです。他人と共有した時にはっきりとイメージが伝わるくらいに詳細に描き出します。また、ペルソナは原則一人とします。数が多いと打ち手(施策)がブレるためです。

 最後に、出来上がったペルソナが現実とかけ離れた空想の産物となっていないか、ステップ1で集めたターゲットの情報と照らし合わせて点検します。なおペルソナは、一度作ったら終わりではなく、適宜見直しをするようにしてください。

ステップ3:SNSでの活用
 ペルソナ分析が終わったら、次はそれをSNSに活用していきます。

(1)作ったペルソナが自社あるいは自店にコンタクトしてくれるとしたら、それはどのようなきっかけからでしょうか?また、その時ペルソナに刺さったのはどのようなキーワードやフレーズでしょうか?興味やライフスタイルを想像して考えぬきましょう。
 そして、そのキーワードをハッシュタグとしても利用していきます。このキーワードでSNS上で検索し、見つけたユーザーを自分からフォローしてみるのもいいでしょう。

(2)SNSのプロフィールは、ペルソナが目を留めるような内容になっているでしょうか?なっていない場合はペルソナ目線で書き換えます。先ほど考えたキーワードも盛り込みましょう。

(3)ペルソナの行動から考えて、SNSを投稿するのは何曜日の何時頃が適当でしょうか?考えた時間帯に発信して反応を見てみてください。

(4)SNSから誘導したいホームページがありますか?ある場合は、ホームページの適切な場所にもキーワードを散りばめていきます。

 デザインの世界で人間中心設計がトレンドとなっているように、顧客起点で物事を考えることはマーケティングに不可欠なものとなっています。ご紹介したヒントは気軽に実施できる内容ですので、ぜひ顧客起点で考えることにチャレンジしてみてください。

みなさまのSNS運用が1日も早く事業の成果につながりますように。