東京にはアニメ制作企業の9割が集中していて、中でも城西支部が位置するエリアはとくにアニメや漫画にゆかりがある企業や施設が多い地域です。
 9月17日(土)、城西支部研修部主催「実践!スキルアップ講座『アニメ制作業界の最新動向調査の解説』」がZoomにて開催されました。講師は、株式会社帝国データバンク情報統括部主任の飯島大介氏です。飯島氏は企業データ分析、業界動向レポート執筆に携わり、アニメ関連産業の動向についても長年調査してこられました。(2022年8月12日に公表された帝国データバンク「アニメ制作業界」動向調査(2022)はこのリンクからご覧ください)
自他ともに認める「アニメオタク」とのこと。アニメへの深い造詣と愛情が随所に感じられるセミナーでした。

「もしこのまま対策をとることができなかったら、日本のアニメ制作産業は10年以内に地盤沈下するかも」衝撃的な問題提起で日本アニメ制作産業への関心がぐっと高められます。続いて、1950年代からの日本のアニメ産業の歴史が300ほどの作品名と「ブーム」「騒動」等転換となる事象の年表をもとに一気に語られる様子は圧巻でした。アニメ制作の流れやアニメーション種類についてポイント解説があり、アニメ制作業界が抱える問題点に話題が移ります。


3大課題「低賃金」「長時間労働」「人材育成」は、概ね「儲からない」点に起因しているとのこと。アニメーターの労働環境や制作会社が潤わない背景について、日米中のアニメ制作業界の違いをあげて解説がありました。最後に、中小企業診断士活躍の場のヒントにもなる「今後のアニメ制作市場の展望およびアニメ業界支援の可能性」の解説でセミナーは締めくくられました。質疑応答では、受講満足度の高さを表すように多数の質問があがりました。
城西支部研修部では、新しい研究会としてアニメや漫画、ゲームに関する研究会の立ち上げを検討中です。終了後のアンケートでもご意見を募り、今後進めていく予定です。

城西支部 井田 優里