大盛況だった
「第2回 椎名町街づくり豆まき大会
 取材: 豊島区中小企業診断士会  松田 武
 
 平成21年2月1日(日)西武池袋線椎名町駅商店街に隣接する真言宗金剛院の前庭にて、昨年に続き第2回目の「椎名町豆まき大会」が行われました。昨年は当日あいにくの雪の日となり、来場者も1300名ほどでしたが、本年は晴天に恵まれ約4000人の人出があり、大盛況となりました。
 

高野豊島区長(前列左から2人目)をはじめ、来賓の方々

地元選出の議員など名士の方々
 
◆ ひょんなことから「豆まき大会」
 
 真言宗金剛院の門前には長崎不動尊の祠があり、地元不動講のメンバーがお世話をしております。2007年の春、不動講メンバーと金剛院ご住職との定例打合せが行われた後、不動講の講元(佐藤氏)が金剛院前庭にて「豆まき大会」をしたらどうだろう、と提言したところ、ご住職が「それはいいアイデアです、ぜひみなさんでやってください、協力します」と賛成されました。

 それがきっかけで豆まき大会の話が進み始めました。当初は2年くらいの準備期間を想定し、2009年に第1回目を行う予定でした。ところが、2008年が子年であり、新しいことを始めるのに相応しいと言う意見が出て、2008年の節分に第1回目豆まき大会をやろう、と決まったのが2007年8月のことでした。

◆ すべてが初めての第1回「豆まき大会」
 不動講の講元の発案とは言え、不動講のメンバーだけでは人手が足りないということで、佐藤氏は椎名町駅前すずらん通り商店会の会長でもあり、近隣商店会会長に話を持ちかけたところ賛同が得られました。そこで、椎名町駅近辺4商店会が主催となり「椎名町豆まき大会」ということで行うことになりました。そして、佐藤氏は豆まき大会実行委員長となりました。

 さあそれからです。豆はどうする、舞台はどうする、司会はどうする、誰に豆をまいてもらうのか、案内板はどこにおく、来場者の安全対策はどうする、アトラクションはやるのか、来賓は誰を招ぶのか、そして資金はどうするのか、有志からなる実行委員はなんども打合せ会を行って、およそ考えられることはすべて考えました。そして、近隣町会、商店会、夫人会の協力をよびかけました。その上で、金剛院の大広間で関係者一同の合同打合せを何度か行い、役割分担を決め、豆まき行事のプログラムを練り上げました。

 第1回豆まき大会の日は朝から雪が降っておりました。会場となる金剛院前庭にも少し雪が積もっておりました。これでは来場者が滑って危険だ、ということで、地元消防団の団長でもある佐藤氏は、早速に消防団メンバーを集め、会場に午前中放水し、雪を流して貰いました。その甲斐あって、雪降りの中、1300名の来場者に事故なく終了しました。

◆ 安全対策に力を入れた「豆まき大会」

 豆まき大会実施にあたって採られた主な安全対策は次の通りでした。
@豆はバラでまかずに小さい袋に入れてまく
A地面に落ちた豆は拾わないよう来場者に司会者が何度も注意を呼びかける
B舞台前数メートルのところにお揃いのピンクのジャンパーを着た警備担当者が数名でロープをはり、その中に入れる人数制限をし、入れ替え制にした
C警察官、消防署員、警備会社スタッフが周辺道路の交通整理をはじめ、来場者の安全確保、緊急時の対応について備えを行った

 地元警察、消防署への協力依頼は事前に佐藤実行委員長と地元豊島区議が行いました。
 こういうしっかりとした安全対策と計画の周到さに豊島区も補助金をつけてくれることになりました。

◆ 準備は順調 第2回豆まき大会
 第1回豆まき大会の経験を踏まえ、実行委員は9月から打合せを始め、商店会、町会夫人会の合同打合会も11月、12月に各1回、そして1月には2回行って、プログラムの摺り合わせをし、役割分担の確認を行って、豆や、看板の発注などの準備を進めていきました。

 司会は元NHKアナウンサーで当地在住の田中ひろ子さんに依頼し、豆まき前口上は同じく当地在住の南京玉すだれを得意とする鈴南玉恵さんに頼み、お相撲さんは金剛院ご住職から大島部屋に依頼して頂き、ゲストタレントは当地に住んでいる石浜裕太郎さんに来て貰うことになりました。

 豆まき大会前日は雨降りとなりました。雨の中、職人さん達がずぶ濡れになりながら、舞台を設営してくれました。
子供達も豆まきに参加 境内を埋め尽くした観客
◆ 順調に進行 豆まき大会
 豆まき大会に先だって12:50、金剛院ご住職により本堂において厳かな節分法要が営まれ、来賓約50名が参列されました。その間、豆まき舞台では、鈴南玉恵さんにより豆まき始まりの華やかな口上が述べられ、さらに和太鼓愛好家達による和太鼓の演奏が行われ、来場者の気分を盛り上げました。

 本堂での法要の後、地元消防団の木遣りを先頭に来賓が行列して豆まき舞台に上り、ご住職挨拶、高野豊島区長など来賓挨拶があり、いよいよ豆まきが始まりました。
 晴天の下「福は内」のかけ声と共に豆はいっせいに青空に向かってまかれました。来場者は腕をいっぱいに伸ばして豆を受け取ろうとしました。当日結構風が強く、なかなか思うように取れず、豆が取れても取れなくとも、場内に笑顔が広がりました。椎名町には「鬼はいない」ということで、かけ声は「福は内」だけで豆はまかれました。

 豆まきは、午後1時半、2時半、3時半の三回行われ、来賓の豆まきに続き、年男、年女の豆まきに加え、近隣の幼稚園児、小学生にお相撲さんも加わり賑やかにまかれました。       
受付テントでは無料の甘酒がふるまわれ、豆まきの合間には芸人さんの楽しいアトラクションがあり、場内に笑いのうずが沸き起っておりました。

 豆は昨年六千袋まかれましたが、本年は一万袋まかれ、甘酒も1250杯ふるまわれ、子供さんにはお菓子袋500個プレゼントされました。好天にも恵まれ、また警備もしっかりしていたので、事故もなく約4千人の人々が楽しく福を授かりました。

◆ 豆まき大会打上会
 椎名町の豆まき大会は、地元の消防団と若者達が警備にあたり、地元の建設会社が大きなテントを提供し、婦人会のみなさんが来賓への裃の着付けをし、甘酒をふるまい、商店街が豆袋に入れるサービス券を提供し、町会が年男、年女を募り、不動講のメンバーが受付担当を行う、というまさしく地元の力の結集というものでした。

 当日、金剛院本堂で行われた打上会で、司会を務めた田中ひろ子さんが、「NHKにいた頃、ひるどき日本列島で全国各地のみなさんの活動を報道して来ましたが、我が椎名町でも地元のみなさんが同じように協力してこういう行事を行うんだということを知り、たいへん感動しました」と言う感想を述べておられました。

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