巻頭言 イベント コラム・Global Place コラム・インバウンドビジネスあれこれ トピックス 
 支援マニュアル お役立ちサイト 国際部の概




 


 国際部では、インバウンド対応を含めた中小企業の国際化に関わる診断士の支援となる有益な情報を提供しております。

2018年度の活動予定
◇日本国内で世界を感じることができる場所を訪問する「グローバル化の実態を知る体験ツアー」の開催(7月)

◇国際化をテーマにそれに関わる講演者をお招きして有益な情報を提供する「国際オープンセミナー」の開催(11月予定)

◇ジェトロや東京商工会議所で開催される国際関連の各種セミナー・講演会などを案内する「イベントカレンダー」の提供(毎月更新)

◇ビジネスだけではなく、社会問題など様々な国際関連の情報を部員が持ち回りで提供する「コラムGlobal Place」の掲載(毎月更新)
 
 なお、国際部では新入部員を募集しております。現在、部員は10名です。海外業務の経験は必要ありません。企業内や若手の熱意のある診断士の方も大歓迎です。関心のある方は、ぜひ見学にお越しください。部員一同お待ちしております。


2018年 6月 国際部長 大檐 賢嗣

  【過去の「巻頭言」掲載歴】



 国際部は下記の方針に基づき活動を行って参ります。

1.    公的機関等が発表する国際関連情報を収集し、会員に提供する。

2.     公的機関との連携による会員の国際活動領域・職域拡大に努める。

3.     国際関連研究会との連携。

4.     支部国際事業推進部が主催する国際業務の窓口機能を発揮する。

5.     上記に関連する支会の国際事業を行う。



 
 
 
 
 

 (この欄では、公的機関、東京協会、各支部で開催される国際関連事業の予定をご案内致します。)

2018年

■ジェトロ開催(詳細は、https://www.jetro.go.jp/events.html
*10月8日現在、10月25日以降(1ヵ月先まで)に開催されるイベント情報の抜粋です。

・ビジネスセミナー「中国動画配信市場のゆくえ」
 2018年10月26日(金)14時00分~16時00分
 場所:ジェトロ本部(港区赤坂1-12-32)

・食品輸出セミナー「米国(西海岸・東海岸)の日本食品市場」
 2018年11月8日(木)13時30分~16時00分
 場所:ジェトロ本部(港区赤坂1-12-32)


■東京商工会議所(詳細は、http://event.tokyo-cci.or.jp/
*10月8日現在、10月25日以降(1ヵ月先まで)に開催されるイベント情報の抜粋です。

・飲食業向けセミナー「海外のお客様を集客し、お金を落としていただく方法」
 2018年11月09日(金)14時00分〜16時00分
 場所:ビジョンセンター東京(中央区八重洲2-7-12)

・欧州、オランダIT産業の凄さに学ぶ
 2018年11月09日(金)15時00分〜16時45分
 場所:タワーホール船堀(江戸川区船堀4-1-1)


■中小企業大学校虎ノ門セミナー( http://www.smrj.go.jp/event/t_seminar/index.html )
 □「動画で見る虎ノ門セミナー」セミナー名抜粋
 ・ASEAN地域への進出におけるメリット・デメリットと実際の進出企業の事例紹介【全6本】
 ・自らのグローバル化の「あるべき姿」を考えてみる【全5本】
 ・eコマース入門 ネットショップ開業のABC【全6本】
 ・ミャンマーにおけるビジネスチャンスと中小企業のグローバル経営【全6本】







 
 
 
 
 

(この欄では、海外のビジネス、出来事、話題或いは見聞を掲載します。)

俺たちに国境はない-エビは世界の貿易財
国際部  飯崎 充

 こんにちは! 今回は、エビという食材をもとに世界の貿易を考えてみようと思います。
 最初に、エビの種類から。エビには大きく分けて、歩行するエビと泳ぐエビの二種類があります。前者はイセエビが典型例でロブスター、後者が一般的なエビで、大きいもの(概ね5cm以上)がプローン、小さいものがシュリンプと呼称されます。ここで取り上げるのは一般的な食材であるプローン、シュリンプです。(ちなみに、米国では、大きさにこだわらず大体みなシュリンプと呼ばれるようです)



 皆さんがデパ地下やスーパーに行かれた際、鮮魚売場で、エビのパックを手に取ってその原産地を見てみて下さい。クルマエビ系のバナメイ、ブラックタイガー、ホワイトなら、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシア、ミャンマー、インド、パプア・ニューギニア、エクアドル、ホンジュラス ---、クルマエビ系とはちょっと異なる赤エビはアルゼンチン、甘エビ系ならグリーンランド、カナダ ---。日本の市場にいかに多くの国々からエビが集まっているかに、あらためて驚かれることでしょう。
21世紀の今、エビは冷凍エビとして世界を旅するまさにグローバルな貿易財となっています。

1.日本の輸入量の推移
 日本経済新聞2014年12月13日号に、「エビ消費大国の落日」という記事が掲載されていました。日本のエビの輸入量が20年で半減した、という内容です。
 えっ、そんなに減ったのか、というのが最初の感想でした。日本は世界一のエビの輸入大国だったイメージがあり、この20年で自分がエビを食べる機会がそう減ったとは思えなかったからです。
 そこで、財務省の貿易統計から、最近30年間の冷凍エビの輸入量、その平均単価の推移を調べてみました。調査対象は輸入量の90%以上を占める「その他の冷凍エビ」(いわゆる南方系冷凍エビで、養殖やアルゼンチン赤エビも入りますが、甘エビ・ボタンエビが入る冷水系冷凍エビは含みません)としました。結果が次のグラフです。


出所)財務省貿易統計から作成


 エビは日本では水産物の中で一番早く、1961年に輸入が自由化されました。日本全体がバブルの好景気に沸いていた頃は、エビの輸入量も景気に歩調を合わせるかのようにうなぎ上りに増加しました。1984年の143千㌧が最盛期の1994年には2倍以上の303千㌧に達します。1986~1998年の13年間、エビは、日本の農林水産物輸入の中で、トウモロコシや小麦の穀類を抑えて、金額ベースで第一位をキープし続けました。しかし、バブル崩壊からやや遅れてエビ輸入バブルも縮小を始め、1997年にはエビ輸入量世界一の座を米国に譲ります。そして、日本経済新聞に報道されたように、2014年、2015年の輸入量は、価格上昇の影響もあって、それぞれ147千㌧、139千㌧とピーク時の半分、1984年の水準に戻ってしまいました。(その後の2016年、2017年はやや数量を戻しています)
 どうして、こうなってしまったのでしょう。
 国産が増えた? いやいや、そんなことはありません。日本のエビの生産量は1975年には77千㌧ありましたが、ずっと縮小の一途をたどり2016年には18千㌧となっています。その大半は、シバエビ、サクラエビなどの小型のエビです。養殖元祖のクルマエビは養殖と天然合わせても2千㌧に満たず、庶民の食卓に登ることはまずありません。
 もうひとつ考えられることがあります。エビの輸入が、すしネタ用や、てんぷら・フライ用に加工が進んだ状態での輸入に置き換わり、未加工状態での冷凍エビの輸入が減ってしまっている可能性です。あとは揚げればいいだけの状態、あるいはチンすればいいだけの状態での冷凍食品がこれだけ普及しましたから、その可能性はありそうです。そこで、再び財務省の貿易統計から、エビ調整品の大部分を占めるボイル・すしエビ類,エビフライ類の輸入量を取り出してみました。


 出所)財務省貿易統計から作成

 確かに、90年代以降エビ調整品の輸入量は一本調子で増えており、90年代半ばから冷凍エビの輸入量が減りだした一因ではありそうです。しかし、総量が一桁違いますので、冷凍エビ輸入の減少分に置き換わるにはとても足りません。また、直近数年間はエビ調整品も冷凍エビと同じように輸入量を減らしています。やはり、エビ離れは事実のようです。

2.日本のエビ食
 日本でエビ消費の拡大が始まったのは、バブル期より時代をもっと遡ります。1960年代後半から1970年代、エビにとどまらず、日本の食文化は大きく変わりました。それをもたらしたのは、自動車道路網の整備、冷蔵・冷凍保存技術の進歩を基にしたコールドチェーンの完成です。それまでは、生鮮品は近隣で採れた(獲れた)旬のものを食べるしかなかったのが、時期を問わず、全国各地から、或いは世界から集まる様々なものを味わえる時代になりました。エビも冷凍して保存、全国に流通させることが可能となりました。
 そこにもう一つの事情が加わります。エビは、もともとイカなどと比べて生産・流通量が少なく、「ちょっと高級」なイメージがありました。そう、暮らしが日々豊かになりつつあった時代、ちょっとしたぜいたく消費の対象になりうる食材でした。高度成長期終盤の日本は工業製品を東南アジアに売りまくっており、輸出先の国々から何かものを買わねばならない必要性に迫られていました。エビはまさにその目的にドンピシャの商品だったのです。こうして輸入された冷凍エビを国内に広めるプロモーションが始まります。



 家電製品を揃えたダイニングキッチンで、ちょっと豊かになった気分でエビを食べる、そういった“中流”家庭のファッション感覚にも訴えて、エビの消費は増えていきます。「日本人はエビ好き」と言われますが、供給側の思惑でそうさせられた一面もありそうです。
 日本のエビ輸入がピークを打った1994年の時点で、エビはとうに、ありふれた普通の食材になっていました。かつての「ちょっと高級」なイメージは、もはやありません。そして、家庭でも、かつてと違い、調理にあまり時間をかけられなくなっていました。エビは背ワタ取り、殻むきに始まり、調理に手間がかかります。また健康志向から、油調理を避ける傾向が強まり、後片付けの手間もあって家庭での揚げ物調理そのものが減りました。
 さらに、ここが一番の問題ですが、おせちなどの特別なケースはともかく、日本の普通食としてのエビ調理が、すし、てんぷら、フライから他に広がらなかったことがあります。近年でこそエビチリ、エビマヨ、サラダエビなど業界の工夫が見られるようになりましたが、中華料理の「白灼蝦」のように、茹でたエビをてんこ盛りにして、殻をむきながらむしゃむしゃ食べるような、シンプルにして量をこなす豪快な料理は、日本の家庭にはついぞ根づきませんでした。
 総務省統計局の「家計調査年報(家計収支編)」に「一世帯当り品目別支出金額」という項目があります。そこで、「生鮮魚介」中の「エビ」を見てみました。


 生鮮魚介全般への支出が減っているのですが、その中でもエビに費やす支出は、1992年からの24年間で四分の一近くにまで減ったことになります。日本のエビ輸入量の減少は、家庭での消費が減ったことが一番の原因のようです。
 食材の流通でもグローバル化が進み、色々な美味しい素材が容易に手に入る現在、家庭食でのエビの地位が相対的に大きく低下したことは間違いのないところです。

3.世界ではエビ生産・消費の拡大が進む
 日本のエビ消費の退潮とは正反対なのが、世界の生産・消費です。世界のエビ生産量の推移、2016年の国別生産量上位十か国は次の通りです。


 
   出所)国際統計専門サイトGlobal Noteより作成
     (元データはFAO Yearbook of Fishery and Aquaculture Statistics)

 グラフからわかるように、1975年に1,554千㌧だった世界の生産量は、41年後の2016年には約7倍の10,782千㌧に増加しています。そして、この増加の大半は養殖によるものです。1975年の養殖のシェアはわずか1.7%、それが今では60%を超え、天然ものの漁獲量を上回ってしまいました。養殖による増産を担ったのは、主に東南・南アジア、そして中国です。
 当初、エビの増産を支えたのは日本の消費の増加です。かつて、エビの貿易は、東南・南アジアから、日本(及び韓国・香港)に向かうアジア域内の垂直貿易でした。ところが、1990年代に日本市場が退潮期に入ったのに対し、欧米(特に米国)のエビの消費が増えていきます。健康志向で水産物の消費が伸びたこと、欧州で狂牛病や口蹄疫が発生したことなども影響したかもしれません。そして、アジアからの流入による供給増加で価格が安くなったことが消費を刺激しました。米国は、2016年に調整品も含めたエビの輸入量が600千㌧を突破、一大輸入国になっています。シュリンプカクテル、シュリンプボイル、ケイジャンシュリンプ、ガーリックシュリンプ、--- 調理の仕方は様々です。
 養殖エビはグローバル貿易に親和的だと言えるでしょう。先進国は国内の生産量が限られるため輸入を制限する必要性があまりありません。エビ養殖・加工技術の適用は比較的容易で、途上国でも短期間で供給力をつけることができます。こうしてエビは、生産地から消費地へと、世界中を流通する貿易財になりました。その間、中国をはじめ、アジアも豊かになりました。アジアは、供給する側であるだけでなく、消費する側にもなりました。特に中国の伸びが著しく、中国は世界最大のエビ生産国であるとともに、米国に比肩する輸入大国にもなっています。

4.消費を拡大したエビの養殖-始まりは日本、そして台湾から世界に広まった
 それではエビの養殖はどのようにして拡大したのでしょうか。
そもそもは、日本で福永元作氏らが浅瀬での畜養の伝統を基礎に、1960年代にクルマエビの養殖技術を確立、商業生産を始めたことが発端です。そして日本に学び福永氏の弟子筋にあたる台湾の寥一永氏が、1970年代に台湾でブラックタイガー(和名:ウシエビ、台湾名:草蝦)の養殖方法を確立します。  ブラックタイガーはクルマエビより成長が速い。資本投下がなされ、人口養殖地が作られて、人工飼料の開発、科学的管理による高密度集約養殖が広がりました。1980~90年代、この集約養殖技術が、台湾から東南・南アジアに拡散、亜熱帯の地はエビの養殖地帯となります。
 生産されたエビは日本がどんどん消費してくれるから、生産量が増加する、すると価格が下がる、価格が下がるとまた消費が伸びる、さらに生産への参入が増える、という生産・需要拡大のサイクルになっていたのが1980~90年代でした。その間、エビの養殖技術はアジアから中南米や中東の地にも伝わっていきます。
 一方で、集約養殖の弊害も言われるようになってきました。マングローブ林や沿岸環境の破壊、人工飼料の過剰給餌による水質・土壌汚染、末端の過酷な就労環境、突発する病気蔓延などです。1988年ウィルスが蔓延、台湾のブラックタイガー養殖は壊滅的打撃を受けました。その後も、エビ養殖はアジアの各地で数年おきに病害に見舞われるようになります。そのため、アジアのエビ養殖は、1990年代末ごろから、中南米原産で、病気に強いと言われ、ブラックタイガーよりもさらに生産効率の良いバナメイに急速にシフトし、今では世界中の養殖でバナメイが主になっています。
 しかし、そのバナメイでも2013年にタイで病害(EMS早期致死病)が広がり、タイの生産量が前年比で40%も減少、それが原因で価格が高騰し、日本の冷凍エビ輸入量も2014年は全体で前年比15%の減少となりました。

5.日本のエビ輸入先としてのベトナムとアルゼンチン
 次に日本の冷凍エビ輸入先を見てみましょう。
 2017年日本の冷凍エビ輸入量は、二年連続で前年比やや増加し157千㌧でした。その輸入先別の数量シェアを円グラフにしてみました。
 上位6ヶ国は、順位の変動はあるものの2011年以降変わりません。この6ヶ国の中から、ベトナムと、アルゼンチンに注目してみます。
 両国からの近年の輸入量推移は棒グラフの通りです。輸入先としての国別の順位は、ベトナムは2002年以降、常に1~2位を保っていて、近年も変わりません。アルゼンチンは、2010年までは10位以内に入っていませんでしたが、2011年以降、次第に順位を上げ、直近4年間は4位につけていて、2017年は水揚げ高が増えたことで日本の輸入量も一挙に5千㌧増加しました。

  

 出所)いずれも財務省貿易統計から作成

(1)ベトナム
 2017年ベトナムの冷凍エビ輸出額は38.5億㌦で前年より22.3%も増加しました。2016年に最多だった米国向けが、アンチダンピング課税問題が再び起きたことで減少しましたが、EU向け、中国向けが大きく増加、日本向けも増加しました。ベトナムはエビの大生産国、輸出国になっています。
 ベトナムでエビの輸出向け養殖が本格的に始まったのは1990年前後からです。水産加工業は国策として振興されましたが、早くから民営化され、HACCP導入など海外市場に向けた努力を積み重ねてきました。
 2001年米越通商協定発効が契機となり、米国向け輸出が日本向けを超えました。しかし、米国でアンチダンピング提訴を受ける事態となったため、2004年に対米輸出量を縮小し対欧州、対日輸出の拡大に転じました。その隙にインドネシアが日本から米国にシフトしたので、対日輸出ではベトナムが首位になり、以後14年のうち11年首位の座にあります。
 ベトナムのエビ輸出は、無頭殻付きよりも、むきエビ、伸ばしエビが主力です。

 出所)日刊水産経済新聞 2018/3/22 より作成

(2)アルゼンチン

 天然エビであるアルゼンチン赤エビは、2011年頃から日本市場でも存在感が増しだし、今や有頭エビの主役になりつつあります。
 このエビは、アルゼンチン南部、大西洋に面したサンホルヘ湾近くの限られた漁場でほとんどが漁獲されます。水深100mほどの海域に生息する成長の速い1年魚で、絶好のタイミングに当たれば「沸く」ように収穫されるので、他のエビに比べると製品価格を安く抑えられるとのことです。
 過去はほとんどが有頭の形で加工会社の資本供給元であるスペイン、イタリア等欧州向けに輸出されてきましたが、欧州通貨危機で欧州向けが不調となったのを機に日本、アジアにも振り向けられました。日本向けの多くは、刺身用を前提に船上でIQFなどの急速冷凍で製造された鮮度の良い商品になっています。
      
         地図データ©2018 Google 日本
         漁場海域を示す楕円は筆者

 アルゼンチン赤エビの輸出も、近年は中国向けが急増中です。2016年の国別輸出量では、日本向けは、スペイン、中国、イタリアに次いで4位となっています。
 注)IQF:Individual Quick Frozen 個別急速冷凍(かたまりでなく、一尾ずつバラバラに凍結される)

6.終わりに
 ベトナム、アルゼンチンの例でも見られるように、エビの供給は、情勢の変化に応じて容易に振り向け先を変えます。冷凍で長期保存できるため供給調整が可能で、参入障壁も、関税障壁も低いエビは、自由貿易体制を謳歌してグローバル市場で取引される商材だと言えます。
 ここ二年は若干持ち直したとはいえ消費が頭打ちとなった日本をしり目に、米国、欧州や、中国をはじめとする新興国群での消費はまだまだ伸びることが見込まれます。また、アジアで確立した技術に、中南米原産のバナメイが結びついたエビの養殖も、東南・南アジア、中国、中南米諸国ほかで増産基調が続いており、病害のリスクを除けば供給面での不安も当面はなさそうです。 
 世界のエビ取引における日本の地盤沈下はさらに進むと思われ、日本が買い負ける事態も出てきそうですが、嘆くばかりでなく、世界のエビ料理に学び、新しい消費の仕方をトライしてみるのもよいかもしれません。
 なお、集約養殖で目立つようになった弊害をよしとせず、生産効率は悪くとも、環境負荷が低くサステイナブルな低密度の粗放養殖を見直そうではないか、という取り組みも行われていることを最後に申し添えておきます。


【主な参考文献】
日本経済新聞 2014/12/13 「『エビ消費大国』の落日 輸入量、20年で半減」
日刊水産経済新聞 2017/3/14 「エビ特集:輸入、前年超え 消費の行方は」
    同    2018/3/22 「エビ特集:輸入量増加 消費どう上げる」
村井吉敬「エビと日本人Ⅱ-暮らしのなかのグローバル化」岩波新書(2007)
遠藤哲夫「大衆めし 激動の戦後史-『いいもの』食ってりゃ幸せか?」ちくま新書(2013)
室屋有宏「日本のエビ輸入-最大の対日輸出国ベトナムの台頭とその背景」(調査と情報 2006.5)
全日本調理指導研究所「アルゼンチン赤エビの魅力」(Fish and Food Times 2013.12)


以上

(2018年9月)


【過去の掲載歴】



 
 
 
 
 



2018年問題

国際部 米山 伸郎


 2018年問題をご存知でしょうか?
来年が日本の大学や専門学校進学者の減少し始める年であることが人口動態的に明らかとなっており、ただでさえ既に定員割れを起こしている大学の入学生不足の問題が加速することを表す社会問題です。同様に、中小企業の高卒新卒採用の現場も厳しさを増すものと予想されます。
 この問題に対する備えとして、大学や専修学校ではアジアを中心に、日本に関心の高い高校生を留学生として招き入れ、日本での就職にまでつなげようという動きがあります。日本側がイニシアチブをとるケースはもちろんのこと、学生を送り出すアジア側でも「少子高齢化日本」を人材派遣のマーケットチャンスと見て“売り込む”動きが活発になっています。
 筆者が関与する限られた範囲でもベトナムやインドネシアから有為な高校卒業予定者を選抜し日本に送り込み、まず日本語学校でN1(ほぼ母国語レベル)にまで日本語能力を高め、そこから特殊技能を身に着ける専修学校(職業訓練校)を経て国家資格を取得し、日本で就職するスキームができ上がりつつあります。その中でもホテル・観光のホスピタリティの教育で有名な専門学校日本ホテルスクールや美容のコスメ・ネール・ヘアケアの教育において先端を行くメイ牛山学園ハリウッド大学院大学などはアジアからの留学生を積極的に受け入れています。
 日本側の人手不足と、アジアから増大するインバウンド客への対応ニーズから上述の日本語―専修学校-国家資格取得―日本での就職のスキームが今後ますます期待されてくるものと思います。

以上

(2017年3月)


【過去の掲載歴】




 
 
 
 
 

  (この欄では、国際化に関するトピックスを報道記事や公的機関の広報などから紹介します。)

 ■2017年4月7日に中小企業庁が「中小企業海外展開支援施策集」を改定しました。中小企業の方が海外展開に関する支援施策をご利用になる際の手引書となるよう、海外展開の進捗状況に合わせて段階別に支援施策を紹介しています。
   http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kokusai/2017/170407kokusai.html

 ■
中小機構のホームページに掲載されている「海外販路開拓に向けた展示会活用方法バーチャルセミナー」を紹介します。
   http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/virtual/070462.html

 ■厚生労働省のホームページに「外国人雇用対策」があります。
  その中にある「高度外国人材活用の為の実践マニュアル」をご紹介します。
  http://www.mhlw.go.jp/bunya/koyou/oshirase/110224.html

わが国の経済活力を高めるためには、国内人材の活用と併せて、高度外国人材の積極的な活用が重要な課題ですが、現状では、高度外国人材を受け入れる企業が少なく、さらには、外国人ならではの発想力や高度な専門性も有効に発揮しきれていないなど、高度外国人材を活用する仕組みが十分に整備されているとは言えません。

そこで、厚生労働省は、「企業における高度外国人材活用促進事業」(株式会社富士通総研に委託)を実施し、有識者による検討会、企業・高度外国人材本人へのアンケート調査、ヒアリング調査等を通じて、企業における具体的な環境整備について検討し、企業向けの「高度外国人材活用のための実践マニュアル」を作成しました。


■「中小企業海外展開支援大綱」がまとまりました

 623日、中小企業の海外展開支援の総合的な取り組みとしての「中小企業海外展開支援大綱」が決定されました。
 今後この大綱にしたがって、中小企業庁及び他支援機関などが、中小企業の海外展開にかかる50000件の商談を支援するなどの構想が打ち出されています。

http://www.chusho.meti.go.jp/keiei/kokusai/2011/110623KaigaiTenkai.htm




 
 
 
 
 

 

「「国際化支援マニュアル」への小論掲載中止のお知らせ」はこちら☞
「国際化対応力診断の体系と着眼点(改訂版・その三)」はこちら☞
「国際化対応力診断の体系と着眼点(改訂版・その二)」はこちら☞
「国際化対応力診断の体系と着眼点(改訂版・その一)」はこちら☞
「外航貨物の海上保険に関する考察」はこちら☞
「船荷証券の要件と条文解釈」はこちら☞
「派遣人材に必要な資質と能力及び研修プログラムの例示」はこちら☞
「事業環境の変化に適応できる人材グローバル化に関する一考察」はこちら☞
「新興国における人材の現地化を阻む要因」はこちら☞
「日独版公的人材育成策の比較」はこちら☞
「企業市民への実現努力と経営理念・CIの明示を」はこちら☞
「進出地域の三極集中と企業組織のあり方」はこちら☞
「本社の現地法人に対するリスク・マネジメント・システム(その四)」はこちら☞
「本社の現地法人に対するリスク・マネジメント・システム(その三)」はこちら☞
「本社の現地法人に対するリスク・マネジメント・システム(その二)」はこちら☞
「本社の現地法人に対するリスク・マネジメント・システム(その一)」はこちら☞
「新興国に進出する中小企業のためのマネジメント・リスク対策(その五)」はこちら☞
「新興国に進出する中小企業のためのマネジメント・リスク対策(その四)」はこちら☞
「新興国に進出する中小企業のためのマネジメント・リスク対策(その三)」はこちら☞
「新興国に進出する中小企業のためのマネジメント・リスク対策(その二)」はこちら☞
「新興国に進出する中小企業のためのマネジメント・リスク対策(その一)」はこちら☞
「アウトバウンドの海外訪問日本人に関する考察」はこちら☞
 【資料-1】アウトバウンド施策~日本人の海外旅行振興策~
        (出典: 観光庁)はこちら☞

 【資料-2】年別 訪日外客数,出国日本人数の推移
        (出展:日本政府観光局(JNTO))はこちら☞

「インバウンド型の訪日外国人客に関する考察」はこちら☞
 【資料-1】世界各国・地域への外国人訪問者数
        (出典: 世界観光機関(UNWTO)、各国政府観光局 作成: 日本政府観光局(JNTO))はこちら☞

 【資料-2】訪日外客数シェア比較
        (出展:日本政府観光局(JNTO))はこちら☞

「貿易取引における信用状に関する要点整理(再考)」はこちら☞
「貿易取引における決済手段に関する考察」はこちら☞
「国際貨物の輸送形態と船荷証券に関する考察」はこちら☞
「ドイツの産業クラスター政策から学ぶ我国の地方創生への示唆」はこちら☞
「ドイツ中小企業の強みと公的支援策」はこちら☞
「ドイツ連邦共和国の経済力分析」はこちら☞
「貿易実務に関する考察」
   ~信用状、船荷証券、貨物海上保険証券~はこちら☞

「貿易実務に関する考察」
   ~上質印刷洋紙の輸出貿易を課題として~はこちら☞

「貿易理論に関する考察」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その十二~中国経済の発展と現状」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その十三~中国進出の消極論と積極論」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その十一~税制」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その九~信用リスク対策と管理上の問題点」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その十~知的財産権のリスク対策と留意点」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その五~中国の金融システム、金利システム~」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その六~人民元の資金調達と法的手続~」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その七~人民元国際化の進展と課題~」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その八~人民元の為替変動とリスク対策~」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その四 中国企業との合弁契約締結上の留意点について~」はこちら☞

「中国進出企業のリスクマネジメントに関する小論
   ~その三 営業秘密保持義務及び競業避止義務条項を含む労働契約の締結に向けて~」はこちら☞

「~その二 中国企業の買収時における労務DD実施について~」はこちら☞
「~その一 縮小・撤退戦略における持分譲渡と会社清算について~」はこちら☞
「中国ビジネス事情あれこれ~その一  手形・小切手制度の概要と留意点~」はこちら☞
「海外子会社に対する本社の管理システムについて」はこちら☞
「企業買収の概要・利点・問題点・戦略的視点」はこちら☞
「為替リスクとカントリー・リスク」はこちら☞
「中国企業との合弁契約締結上の留意点」はこちら☞
「進出形態別の概要・利点・問題点・留意点のまとめ」はこちら☞
「公的機関における国際化支援策と国際派診断士の活躍の場」はこちら☞
「公的機関別中小企業の国際化支援策一覧」はこちら☞
「中小企業の人材国際化診断着眼点」はこちら☞
「中小企業の国際化診断着眼点(海外進出前)」はこちら☞


 
 
 
 
 

(中小企業の国際化対応支援業務を行っている公的機関のサイトを紹介します。)

下記は、中小企業の国際化対応支援業務を行っている主要な公的機関ですが、海外進出の前後、輸出入、業務提携、人材育成、融資などの支援、国別地域別の一般情報や進出事例などが掲載されています。
公的支援機関のサービスマトリックスはこちら

(財)環日本海経済研究所 「北東アジア関連情報メールマガジン」
http://www.erina.or.jp/jp/Mailmag/index.htm

★日本商工会議所 「中小企業国際化支援ナビゲーター」

http://www.jcci.or.jp/kokusai/hp_international_division/

★中小企業基盤整備機構 「国際化の支援」
http://www.smrj.go.jp/keiei/kokusai/index.html

★日本貿易振興機構(JETRO) 「サポート&サービス」
http://www.jetro.go.jp/support_services/

★海外職業訓練協会(OVTA) 「企業の国際化と人づくり」
http://www.ovta.or.jp/index.html

★海外産業人材育成協会(HIDA)「専門家派遣事業」および「中小企業研修事業」
http://www.hidajapan.or.jp/index.html

★日本政策金融公庫 中小企業事業 「海外展開資金」
http://www.jfc.go.jp/n/finance/search/kaigaitenkai.html

★交流協会 (台湾に関する投資・貿易情報)
http://www.koryu.or.jp/



(平成2411月)







トップ