今年4月1日から我が国では新しい在留資格である特定技能1と特定技能2が設けられ、前者は10年、後者に至っては在留の制限なく日本で就労が可能となり家族の呼び寄せもOKとなる。その就労分野は、現状では介護や建設、車・航空機の整備など人手不足が顕著な14の業種に限定されているが、いずれそれも拡大されよう。 
これまで日本の農家や漁業、中小企業での人手不足を補ってきた技能実習生制度は存続するが、あくまでこれは技能を日本で習得させて3年後から5年後に母国に戻し、日本には再来日はしないことが前提である。
一方、高度外国人材と呼ばれる大卒以上の高学歴外国人材は専ら人文・技術という分野の就労ビザで1年~3年くらいの在留期間を更新していく。この高度外国人材を採用することで日本人社員だけの固定観念が強い社内に風穴を開けたり、海外事業展開の先兵役を任じたりといわゆる経営革新に生かす企業も少数ながら出てきているようである。
わが国では政府が就労ビザや在留資格を緩和しさえすれば、より多くの外国人材が日本にやってくるといった「買い手市場」のイメージを持つ方も多いと思われる。その認識を前提としての“移民反対論”も多い。ただ、今後日本の中小企業のグローバル環境における経営革新の切り口となりえる高度外国人材については、求人すればすぐにでも採用できるとは思わないほうが良い。筆者は、高度外国人材の中小企業への就労仲介を行っているが、成功率は必ずしも高くはない。
年収額といった雇用条件もさることながら、経営者の考え方、外国人材を採用する理由と準備態勢、職務内容、将来のキャリア、研修体制といったものがはっきりしていないと、企業側が内定を出しても外国人材側が応じないケースが散見されている。
買い手側の経営者の経営哲学、グローバル感、問題意識、ビジョンといったものを伝えたうえで、具体的にその外国人材に何を期待するか、はっきりと定義できてこそマッチングの可能性も見えてくると言えよう。


国際部 米山伸郎