「ベンチャー企業と伝統工芸」  豊島区中小企業診断士会 小泉謙治


閉店して空き店舗となった“とんかつ屋”を外国人観光客向けゲストハウスに改装してしまったユニークなベンチャー企業があります。
豊島区中小企業診断士会のおもしろマーケティングで表彰された「シーナと一平」を運営しているベンチャー企業「シーナタウン」です。『東京の普通の日常が味わえること』が海外旅行客に評価されていることを知った同社は、「タウンステイ」というコンセプトによりゲストハウスの経営に乗り出しました。

シーナと一平紹介リンク
http://www.toshima-smecg.org/omoshiro-marketing/%e3%82%b7%e3%83%bc%e3%83%8a%e3%81%a8%e4%b8%80%e5%b9%b3/

「シーナと一平」はテレビ東京の「ガイアの夜明け」などメディアにも取り上げられ、空き家・空き店舗対策で悩む大家さんからの相談が多数寄せられました。同じ豊島区の立教大学通りにある「西池袋マート」もそのひとつ。青果店や精肉店など複数の商店が入っていたマーケットでしたが10年以上空き家となっていました。

ここをクラフトビール醸造所&ビアパブとアートギャラリー併設の施設にリノベーションしました。この地域はかつて「池袋モンパルナス」と呼ばれる、芸術家が集まるアトリエ村だった歴史がありそれに因んだものです。

「シーナと一平」は西武池袋線で池袋から一駅目の椎名町駅にあります。一方、椎名町駅周辺には江戸時代から続く伝統工芸の職人が働く職場がいくつかあります。提灯、和凧、彫金、三味線、べっ甲細工、象牙細工などの職人の工房です。

豊島区ではこれらの職人を「豊島区伝統工芸保存会」として組織化して支援しています。保存会では体験教室を開催し地元住民に人気となっています。

保存会ホームページ
https://www.toshima-dentokogei.com/

ところで外交人観光客には日本の文化体験が人気なのは各種メディアで紹介されているのでご存じの方も多いでしょう。「シーナと一平」も集客で活用している、民泊サイト「Airbnb」でも体験ツアーサイトがあり、食べ歩きや着物着付けといったコンテンツが人気となっています。

豊島区中小企業診断士会では、「シーナと一平」が集客した外国人観光客を伝統工芸教室の体験ツアーにつなげる試みを準備中です。椎名町駅周辺は世界に誇るアニメ文化の聖地「トキワ荘」があった場所でもあり、2020年3月に「豊島区立トキワ荘マンガミュージアム」がオープンします。

豊島区では「アジア文化都市としま」として、舞台芸出やアニメなどの文化を全面的に支援しています。文化支援の一環である伝統工芸支援をアニメや演劇とともに盛り上げるお手伝いを診断士会として行っていきたいと考えています。

企業内診断士の中には東京オリンピックのボランティアガイドを目指して通訳案内士の資格を取得した方がいらっしゃいます。そんな方々の五輪後の活躍と診断士実務更新ポイント取得の場としても機能することも期待しています。